医学部医学科志望の高校生の親、ぷっちママです。
先日「女子生徒のための医学部入試説明会」@駿台予備校市谷校舎に行ってきました。
現役の女性医師お二人から、興味深いお話を伺うことができました。仕事、出産、育児、家事などのリアルな話をお聞かせいただき「女性が職業として医師を選択することがどういうことなのか」がよくわかったセミナーでした。

女子生徒の面接対策として「医師を選択した理由」を考えるうえでのヒントになりそうです。
セミナーレポートの前に、駿台予備校市谷校舎についてご紹介したいと思います。
駿台予備校市谷校舎は医学部専門予備校!
駿台予備校市谷校舎は、市ヶ谷駅から徒歩3分です。ぷっちママは、地下鉄7番出口から出ています。駅と予備校の近くには、ドラッグストア、24時間営業のスーパーやファストフード店があります。市谷校舎から一番近いコンビニは、校舎を出て左に行くと目の前にセブンイレブンがあります。食事や文房具の調達に便利です。
駿台予備校市谷校舎は、何度かセミナーに参加させていただいていますが、毎回現役の大学教授や職員の方がお話してくださり、最新情報なうえに、信ぴょう性があります。駿台予備校市谷校舎ではこのような最新情報を使って進路指導や入試対策をご指導くださるのだろうと思います。
また、各大学のオープンキャンパスで現役医学部生(特に東京医科歯科大学)が受験生のころに通っていた予備校としても挙げられていました。医学部生の方たちに聞くと、現役時代から駿台予備校市谷校舎という方と、現役時代は鉄緑会→浪人時代は駿台予備校市谷校舎という方を合わせると、かなりの人数になりそうな感じがしました。(ぷっちママ調べ)
セミナーレポートはこちらからです
お話しいただいた医師のうちお一方は東京医科歯科大学の総合研修センターの助教授、もうお一方はメモしなかったので詳しくは忘れましたが千葉大学の内科の先生(ご専門は免疫疾患)でした。
- 今一度医師になりたいのかを見つめなおすこと
- 求められる医師像
- 女性が医師を続けるときの困難
について、お話しいただきました。
一人前の医師になるまでの長い道のり
医師になるまでのプロセスをザックリお話しいただきました。
高3~ | 大学1年~ | 大学3年 | 大学4年~ | 大学卒業 (最短24歳) | ~2年目 | ? | ~30歳ぐらい |
大学受験・合格 | 医学部入学 | OSCE/CBT | スチューデントDr.として実習 | 医籍登録 医師国家試験合格 | 初期研修 | 2回目の医籍登録 | 後期研修 |
昔の研修医制度と今の制度は違います。後述しています。

受験も大変だけど、大学での勉強も大変。
そのうえ卒業してから2年間の初期研修もある!
なかなか大変な道ですが、一生使える知識と技術を習得できますね。
医学教育の目標

以下のような能力の養成を目標にしています。
- プロフェッショナリズム(医療人としての基本的価値観)・・・例として、公平公正であること、公衆衛生の基本姿勢が身についていること、日々更新されていく情報を学ぶ姿勢、向上心など
- コミュニケーション能力(対患者さんやチーム医療の一員として必要)
志望理由「親が医者だから」とか「勉強ができるから」で大丈夫⁈

医師は人とかかわることが苦手だとつらいです。
多くの犠牲を払っても医学を通して人の役に立ちたい!という価値観がないとやっていけません。
今一度、自分の価値観と照らし合わせてください。
「親が医者だから」とか「勉強ができ医学部にはいれるから」といった理由で医師を志さない方がいいとのことでした。
【まとめ】求められるDr.像は、以下の通りです。

看護師の学校でもそうですが、人の命に携わる職業であるということから、学校では倫理的なことを考える機会も多く、医療現場の基本的な価値観と自分の価値観がマッチしていないと、途中で退学していく人が毎年何人かいました。
研修医にも働き方改革!これからの医師勤務環境
以前の研修医制度は、医学部を卒業後(国試合格後)すぐに各診療科医局に入り、選択した診療科で研修医として働きました。ですから、専門外のことはほとんど知らないということもありました。当時の研修医の先生は、労働時間が長くフラフラになりながら働いている方も多く、それに見合った給料がもらえない、まさにブラック企業での労働を強いられていました。
現在は、研修制度が初期研修と後期研修(専門医研修)に分かれており、働き方改革の影響もあり、労働環境は格段に改善されているそうです。
例えば
時間外勤務規制・・・2024年から罰則を伴う上限規制、残業時間は過労死ラインである月80時間、年960時間を超えてはならない。ただし研修医と地域医療は年1860時間以内まで。2035年以降は、年960時間以下を目指す。
連続勤務の規制・・・連続勤務時間は28時間まで。終業から始業までの間は9時間以上開ける。

連続勤務28時間って!と思われるかもしれませんが、以前は月から土曜日の朝から夕方まで常勤の病院で働き、土曜日の晩から月曜日の朝まで当直のバイトをする先生もいました!働きすぎですよね。
目標を掲げるだけでは達成できないので、実際に勤務環境を改善するためにこんな工夫がされているそうです。
- 短時間正規雇用制度
- チーム医療(担当医の不在時はほかの先生が診る)→以前は不測の事態が起きた時、担当医に電話して指示をもらっていました。
- シフト制(連続勤務を減らすため)
- タスクのシフト(医療事務ができる仕事など、医師でなくてもできる仕事は分配する。認定看護師がこれまで医師でなければできなかった医療行為を行うことができる。例:IVH、Aラインをとる、脱水の補液管理など)

先生が抱える仕事をみんなで分担して行うことで、労働環境の改善を図っているのですね。
女性医師のキャリアの選択
とりあえず医学部に入ることが最初の目標ですが、その先(国試合格)の先、医師になった後のキャリアについて説明がありました。

高額な入学金を払ってから「こんなはずじゃなかった」と辞めれても親としては正直困りますので、現状を聞き自分事としてリアルに考えておいてほしいものです。
ザックリと流れを。わかりやすく現役の年齢で表記します。
18~24歳 | 医学生 | 共用試験→Student Dr.と医師国試合格 |
24~26歳 | 初期研修 | 6年の夏、希望を出しマッチング、2年同一の病院だったり、1年ごとに違う病院のこともある ・内科24週、救急12週、外科・小児・産科・精神科・地域それぞれ4週 ・2年目は選択した診療科48週 |
26~30前後 | 後期研修 | これが終わると専門医になり、引く手あまた |
40代 | ベテラン | 開業医する人も増える年代 |
55歳越えたころ | 最後のキャリアチェンジ 在宅医療やリハビリなどに転向する人もいる |
選択肢としてはこんな感じ↓
臨床医 | 大学病院 | 病棟、外来 |
中核病院 | 病棟、外来 | |
クリニック | 外来 | |
大学院 | 基礎研究 | |
臨床研究 | ||
留学 | 主に研究 | |
診療 | 勤務地の医師免許が必要 | |
研究医 | 研究センターなど | |
大学職員 | 教員、その他 | |
行政・NGOなと | 厚労省、NGO,WHOなど |
女性が働くということ

女性医師の10年後の離職率が73%です。
(事実上)8年かけて取った資格なのにもったいないですね・・・。
2020年現在、女性が働きやすいように環境が整備されつつありますが、どんなに環境が整備されても、出産前後は休まなくてはなりません。産後は子供の熱が出たとかで帰らなくては行けなかったり、思うように仕事ができない時期もあります。
出産や介護を機に退職しいったんキャリアがストップしてしまったり、フルで働けないこともありますが、女性医師にはこのようなメリットがあるそうです。

医師国家資格があるので再就職しやすいですよ
一般的に一度仕事を離れてしまうと希望の職に就けないことも多々ありますが、国家資格があるのでその点は心配ないそうです。
しかしながら、既婚者子供ありの場合、家事と仕事の両立が大変だという人は7割近くだそうです。週の労働時間は40~50時間程度(例:9時ー17時勤務)の人が多いそうです。
勤務する診療科は、皮膚科が5割程度と断トツ多く、他に眼科、麻酔科、小児科、産婦人科とのことでした。
知っておこう!2035年問題

2035年に日本人の総人口の33.4%が高齢者になると予想されています
その時、医師の需要は高まり、高齢の医師や女性の医師も働かないと医師不足になることが懸念されているそうです。ですから、女性医師が続けられるように労働環境の整備やキャリア支援が推進されているそうです。
これから女性医師を目指そうという人には

長期的に働きたいです
というのが、求められているようです。
続きます
以上が「女子学生のための医学部入試説明会」@駿台予備校市谷校舎、先生方のお話でした。
このあと、職員の方から入試情報と、現役女子医大生の経験談などがありました。次回レポートします。
コロナに負けず!
湧きあがれ!知の泉!!
なでなで↓ください
コメント