進学講演会~医学部編~の続きです
①では、センター試験から共通テストに変わる際の変更点3つをレポートしました。
医学部医学科 入試動向について
入学定員は2019年度がピーク
2017年度まで「新医師確保総合対策」と「緊急医師確保対策」で臨時定員(317人)がありましたが終了しました。この定員317人は2019年度は地域枠として残し2021年度まで現状数ですが、その後は定員数が減っていくそうです。
他塾の説明会では、団塊の世代のための医師が必要になる時期のために増員し、団塊の世代の方が亡くなられる時期を迎えると医師が余るので増員分を戻すのだという話でした。
ですが、受験生の数(受験世代の人口)も減るので倍率としては、そんなに変わらないでしょうとのことです。
国公立大学医学部医学科 志願状況
国公立大学医学部医学科【前期】の倍率推移は、2012年の5.7倍をピークに減少傾向にあるそうです。2012年は定員が8991名、志願者数が約2万500人です。2011年に東日本大震災があり、大きな災害の後は医師志望者が増えるためと考えられるそうです。2019年度は4.5倍です。
【後期】の倍率水位も2012年21倍がピークです。2019年は17.3倍で前年比+0.7と微増でした。これは、共通テストに変わるため早く合格を取りたいという人が増えたためだということでした。
どこに出願するか? 多角的に分析して戦略を
倍率は?平均点は?2次試験は?情報収集が大事
関東甲信越の国公立大学ならどこでもいいという人はセンター試験の結果を見て「得点数が合格できそう」かつ「倍率の低い学校」に出そうと思う人が多いそうです。
しかし、塾長曰く「裏の裏は表」だそうで同じことを考えた人は多く、結果的に倍率が上がった例があります。群馬大学、千葉大学、横浜市大は18年度倍率が低かったのですが19年度上がったそうです。前年度の倍率が低いと翌年は倍率が高くなる傾向にあるのだそうです。(といっても東京大学、東京医科歯科大学、筑波大学は2年連続で下がっています。)
次に群馬大学と千葉大学のセンター試験合否得点分布をみます。群馬大学が360~405点(平均388.2約86%)、千葉大学は370~425点(平均402.4約89%)で特に410点以上の人が合格者の28%を占めています。センターの結果だけでみると群馬大学のほうが入りやすいように見えます。
しかし、2次試験を考えてみると、群馬大学は医学部医学科専用問題であるのに対し、千葉大学は専用問題でないため比較的簡単なのだそうです。
ですから、単純に倍率だけを見て出願してしまわないで、多角的に考えて自分にとって一番いい方法を取れるように、情報をたくさん持っている必要がありますよ=駿台予備校にはそのサポートができますよということです。
まずはセンター試験で成功を
センター試験はできて当然
並のレベルでは届かない
学校を選びたいなら9割超え
2019年度センター試験(900点)
合格者平均 88% 不合格者 79%
合格する人は、センター試験で成功するために冬期講習・直前講習でとんでもなく勉強するのだそうです。
これは、他塾でも同じことを言っていました。国公立大学医学部医学科に合格する皆さんは、センター前にこちらが「大丈夫?」って心配するくらい勉強するのだそうです。
でもやみくもに勉強しても無駄になってしまうので、医学部医学科受験のための勉強内容をする必要があるとのことでした。東大、東工大ではセンターが思わしくなくても2次で逆転合格がありえますが、医学部医学科ではそのようなことはないのだそうです。なぜなら、センター試験の後、他の理系の学校では私立受験日や2次試験までにしばらく日数があり学校の過去問対策の時間が取れるのに対し、医学部医学科受験の場合は、センター試験の後すぐに私立医大の受験が始まるから2次の対策に余裕がないからなのだそうです。
説明にはありませんでしたが、ここで本当に言いたいのは勉強内容もスケージュールも特殊なので医学部医学科受験専門の予備校がいいですよ、ということなのだと思います。
医学部医学科受験のスケジュール感
私立の過去問をやる時期は12~1月
他科の理系私大受験では、センター試験後に過去問をすることができますが、私立医大の試験はセンタ試験ーの直後から始まります。ですから、他科志望者と同じスケジュール感で勉強していると間に合わなくなるのです。
志願書の準備は夏から
夏ごろになると各学校志願書が出始めます。この志願書に記載する分量がとても多いのだそうです。他塾では志望理由や面接よりも、成績を上げることだけ考えるべし、と言っていましたが、駿台予備校では志願書の内容も面接も重視していると医学部の教授がおっしゃっていたと言っていました。
まだまだ続きます。
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