医学部を志望する高校生の保護者ぷっちママです。

私立でもいいよ。と言ってあげられたらなぁ
今日は、私立医学部の学費を工面する方法を考える第2弾、埼玉県地域枠について調べました。
埼玉県は2種類の医師育成奨学金
埼玉県には、埼玉県医師育成奨学金として以下の2種類があります。
- 出身者奨学制度(県外医学生奨学金)…県出身者
- 指定大学奨学金制度…県出身に限らない
地域枠は後者の指定大学奨学金制度です。
指定大学奨学金(地域枠医学生奨学金)制度の目的
指定大学奨学金(地域枠医学生奨学金)制度は、埼玉県に愛着があり、「将来医師として埼玉県の地域医療に貢献したい」という強い意志を持つ県指定大学の医学生に奨学金を貸与する制度です。

埼玉県在住や埼玉県内の高校在学・卒業でなくても申込みできるそうです!
指定大学奨学金の指定校
- 埼玉医科大学(埼玉県)18人
- 順天堂大学(東京都)7人
- 日本医科大学(東京都)2人
入試データ
埼玉医科大学
地域枠定員(埼玉県のみ)18名、志願者47名、受験者46名、合格者18名、入学者17名
順天堂大学…埼玉県だけのデータではありません!
地域枠定員(埼玉7、東京10、新潟2、千葉5、静岡5の合計)29名に対し、受験者数190名、合格者29名、入学者28名
日本医科大学はわかりませんでした。
貸与期間と貸与金額
貸与期間は最長6年(在学中に限る)
貸与金額は毎月20万円です。
20×12×6=1440万円です。
指定校と学費
- 埼玉医科大学(埼玉県)
3700万円-1440=自費2260万円
- 順天堂大学(東京都)
2080万円-1440=自費640万円
- 日本医科大学(東京都)
2200万円-1440=自費760万円
返還免除の条件
医師免許を得た後、直ちに貸与期間の1.5倍の期間、特定地域の公的医療機関に医師として勤務(特定地域の公的医療機関以外の埼玉県内の臨床研修病院で臨床研修を受講している場合を含む。)をしたとき又は特定診療科等に医師として勤務したときなどです。
(定義)
特定地域
熊谷市、行田市、秩父市、加須市、本庄市、東松山市、羽生市、深谷市、久喜市、蓮田市、幸手市、白岡市、滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉見町、ときがわ町、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、美里町、神川町、上里町、寄居町、宮代町、杉戸町
公的医療機関
都道府県、市町村又は医療法第31条の厚生労働大臣が定める開設者が開設する病院又は診療所
特定診療科
埼玉県内の病院の産科、小児科、救命救急センター
詳細はこちらのHP(奨学金が返還免除となる場合)です。後期研修を途中で挟むなど連続9年でない場合も猶予されます。ザックリまとめると
- 医師免許を2年以内に取る
- 医師免許を取ったらすぐに医師として働く
- 9年間県内で働く
- 研修も9年に含まれるが、県外で研修するとその間は猶予期間となり9年に含まれない
- 特定地域の公的医療機関で働く
- または埼玉県内の特定診療科で働く
ということです。ザックリなので確認してください。
死亡時、災害や、疾病などの事情でやむを得ない場合は、全額または一部の返還を免除されるそうです。

特定地域の公的医療機関ならば、産科、小児科、救急以外の診療科でもいいのですね
返還しなければならない場合
次の事項に該当する場合は、返還すべき額の貸与金を一括返還しなければなりません。こちらのページ奨学金の返還についてにあります。(太字)は要約です。勤務地を省略していますが指定地域の公的医療機関又は特定診療科です。
- (貸与取り消し時)奨学金の貸与の決定を取り消されたとき。(退学、学業成績が著しく不良、奨学生が貸与を受けるのに相応しくないと認められるとき)
- (免許をとってすぐに医師として働かなかった)医師免許を得た後、直ちに特定地域の公的医療機関に医師として勤務しなかったとき(特定地域の公的医療機関以外の埼玉県内の臨床研修病院で臨床研修を受講しなかった場合を含む。)または特定診療科等に医師として勤務しなかったとき(ただし、奨学金の返還が猶予されている場合を除く)。
- (返還を猶予してもらった後、医師として勤務しなかった)埼玉県外の臨床研修病院で臨床研修を受講するためや後期研修を受講するため(特定地域の公的医療機関又は特定診療科等に医師として勤務する場合を除く。)、または災害、疾病その他やむを得ない理由があると認められて返還猶予の決定を受けた者が、当該猶予期間に引き続いて特定地域の公的医療機関に医師として勤務しなかったとき(特定地域の公的医療機関以外の埼玉県内の臨床研修病院で臨床研修を受講しなかった場合を含む。)または特定診療科等に医師として勤務しなかったとき。
- (国試に2回落ちた)大学を卒業する日の属する年度に実施される医師国家試験に合格しなかった場合において、当該年度の翌年度に実施される医師国家試験に合格し、医師免許を得ようとする意思があると認められて返還猶予の決定を受けた者が、翌年度に実施される医師国家試験に合格しなかったとき。
- (返還が免除になる9年間より前に所定の場所で医師として勤務しなくなった)奨学金の返還免除を受ける前に、特定地域の公的医療機関に医師として勤務しなくなったとき(特定地域の公的医療機関以外の埼玉県内の臨床研修病院で臨床研修を受講しなくなった場合を含む。)または特定診療科等に医師として勤務しなくなったとき(ただし、奨学金の返還が猶予されている場合を除く)
返還金額と期限

返還しなければいけなくなった時のことを考えてみます
返還金額は貸与された金額と同じです。
一括返済できない場合の延滞利息は年14.5%です。
- 給料は月額25万円、当直手当別途支給(2年間の給料 25×12×2=600万円)
- 1月9休制の1ヶ月単位の変形労働時間制、当直4回/月
- 研修医寮あり。個室39室あり(月額2万円、光熱水費、駐車場代、リネンサービス込)
机、ベット、冷蔵庫、エアコン、コンロ、バス、トイレ付
やはり1440万円の一括返済は大変ですよね。
3年目から給料が上がり、当直を頑張れば9年務めるよりも早く返済できるかもしれませんが、返済のために使ってしまうよりも、9年間恩返ししながらキャリアを積ませてもらって、貯めたお金は開業資金にするなどした方が有意義かなと思います。

1440万円で学費を全額賄えないけれど、返還のことを考えたら高額過ぎなくていいかも・・・
まとめ
1.出願条件
埼玉県地域枠はその制限がありません。埼玉県出身者用(県外大学)の奨学金もあります。
2.貸与金額と返還金額
貸与金額は1440万円です。
残りの学費と生活費全額は自分で用意しなければいけません。
返還金額はお借りした金額と同額です。
3.勤務先
埼玉県は、特定地域の公的医療機関又は特定診療科(産科、小児科、救命救急センター)とあります。
埼玉県の場合は特定地域の公的医療機関であれば、特定診療科でなくてもいいようです。
初期研修を埼玉県内でしたい場合は37の基幹型臨床研修病院があります。こちらの埼玉県総合医局機構ホームページが参考になります。

全額支給ではないので自費が必要です。卒後、自分で診療科が選べるのはうれしいですね。
今日の記事は埼玉県公式ホームページ・埼玉県医師育成奨学金のご案内を中心に調べました。2019年9月の情報です。実際にお申し込みをご検討される方は最新情報をご確認ください。
では、また。
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