医学部志望の高校生の親、ぷっちママです。
東京医科歯科大学2019夏オープンキャンパスレポートです。
充実の1日でしたが、なんといっても学生さんのこの言葉が残りました。
お金のことを心配せずにやりたいことができます!
海外研修も整備されていて、お金の心配があまりなかったそうです。いいなー。
一日かけて複数のセミナーに参加しましたので、内容ごとにまとめました。
基本理念・教育理念・アドミッションポリシー
これらの内容は、オープンキャンパスでも説明がありました。注目したいのはその具体性です。かなり詳細に記されています。
【基本理念】
知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する ⇒「職人のようにきっちりできる人」と解説がありました
【教育理念】
1.幅広い教養と豊かな感性を備えた人間性の涵養を目指す
病める人と向き合う医療人は、患者の痛みが分かり、そして患者を取り巻く様々な状況をも理解しなければなりません。それには豊かな教養と人間への深い洞察力、高い倫理観と説明能力を備えなければなりません。2.自己問題提起、自己問題解決型の創造力豊かな人間を養成する
学業あるいは研究に当たっては、何事も鵜呑みにすることなく、疑問を投げかけ、種々の情報を収集、解析し、自ら解決する能力が求められます。そうしてはじめて、独創的な研究を推進できる人材が育まれます。3.国際感覚と国際競争力に優れる人材を養成する
研究成果が即座に世界に伝播する現代において、医療の分野でもその情報と時間の共有化が益々進んでいます。このような状況の中で、立ち遅れない、むしろ最先端を行く人材の養成に努めます。そのために海外教育研究拠点、海外国際交流協定校への派遣を積極的に推進します。【アドミッションポリシー】《求める学生像》
一般入試、私費外国人留学生特別入試
1.医学・医療に深い関心をもち、生涯にわたり学習し、知識と技能を向上させる意志を有している。
2.卓越した知的能力、科学的思考能力とそれを発展させる潜在力を有している。
3.優秀な能力を他者・社会のために活用する利他・奉仕の心を有している。
4.多彩な情報から問題点を抽出し、解決に導く意欲と能力を備えている。
5.他者への思いやりや協調性のもと、国内外の多種多様な状況を理解する力と未来への想像力を備えている。
6.一般言語能力と、将来、国際語を駆使できる能力を有している。
教育理念で知識や技術の蓄積について言及していないのは、教育理念1,2を実行すると自然と身につくからだそうです。
学力検査以外の評価基準も出ています。
《入学試験の基本方針》学力検査以外の評価方針を記載します。
【一般入試、私費外国人留学生特別入試】
面接では、医学・医療への関心と医療人としての適性、コミュニケーション能力、積極性および協調性を評価します。
特に、一般入試(後期日程)では、小論文により、論理的思考能力や文章構成能力などを評価し、面接により、基礎・臨床医学への興味・関心および社会や大学に貢献する意志・能力などを評価します。
面接はコミュニケーション能力だけを見ているのではないことが明記してあります。医療人としての適性はアドミッションポリシーに書かれていることが参考になりそうです。僅差で合否が分かれるときはがこの辺りが決め手になるのかもしれません。
ホームページの構成や基本理念、アドミッションポリシーその他の文面など、各学校のホームページはその大学が考える「人に伝えること」の模範解答例みたい、と思います。
東京医科歯科大学での学び方
このような解説がありました。
高校と同じ勉強法ではいけません。医学的知識の増加は、以前は年15%だったが今は年100%増えている。サイエンスにおいて、今日の正解が明日の正解とは限りません。大学では新しい知識に追いついていくこと、間違っていたら自己修正できる力が必要です。
大学では、すべては教えません。
大学はどんなことをやるかの指針を与えるのみです。
高校3年分を1カ月でやるくらいの勢いです。
自分の興味に従って学ぶ姿勢を身に付け、
研究するときのプロセスを学ぶのです。
CBT・OSCE・国試の対策
大学ではCBT・OSCE対策はしないそうです。学生さんたちの話では、受験勉強並みに大変だったとのことでした。
国試対策もありません昨年度の国試合格率は96%でしたが、不合格者は体調不良などだそうです。6年間で自分で乗り切れる力をつけることを重視し、実習の質を高めることで、自力で合格していくのだそうです。
対策してほしい人には向かないみたいです
プロフェッショナリズム
大学は医師としてのプロフェッショナリズムを学ぶ場でもあります。
自己管理できなければなりません。遅刻など絶対に許されません。
- 時間やお金の管理
- 自他を尊重すること ⇒ コミュニケーション能力(自分の考えを持ち説明する)やリーダーシップ
参考:【基本理念】知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する ⇒「職人のようにきっちりできる人」
研究についての考え方
研究は特別なことではありません。患者さんからヒントをもらって、目標達成(治療)のための手段にすぎません。先生(医師)方は寸暇を惜しまず研究されています。どうしてそんなに頑張れるのですか?と先生方に問うと「患者さんにありがとうと言われるその笑顔がやりがい」と返ってくるのだそうです。
研究を「患者さんの笑顔のため」という姿勢に感銘を受けました
「臨床医か研究医か」という考えではなく、臨床をやっていたらわからないことが出てきたので研究しよう、というスタンスの人も多いそうです。
海外研修(留学)・グローバル人材育成について
英語で議論することができる英語量を習得するために、HSLP(真のグローバルリーダー育成プログラム)という英語で議論するプログラムがあるそうです。授業時間とは別の週1回夕方3時間で行われ、各学年20~30名程度、選考された者が参加できるのだそうです。
4年生の6~11月(最大11カ月)4分の1の学生さんが、6年の春に3か月実習として、合計約半数の学生が海外研修に行くそうです。研修先も充分ありますが、宿舎(おそらく割安の有料)もあるので、経済的に困らなかったと学生さんがおっしゃっていました。
留学は行かせることが目的ではありません。
医療・医学リーダーシップにおけるコンピテンシーを読んでください。
やりたいことを諦めずにやっていたら海外に行くことになったというときに、活躍できる人材を育てる。「グローバル人材育成」では、海外に行った学生がどんなことを感じたのかを教員が聞き、大学での教育に活かしているとのことでした。
留学の詳細は 公式HP留学プログラム に掲載されています。
医科歯科学融合教育
医学部、歯学部両方の教員が講義を行い、合同で学ぶ機会がある。歯学を学ぶことは口腔ケアや経口摂取などを知る機会となり、高齢社会での医療に大いに役立つそうです。
カリキュラムについて
カリキュラムの詳細は公式HPシラバスに掲載されています。
基礎医学を重視しており、臓器ごとに学んでいけるように配置されている。4年生の初めまでは座学。アクティブラーニングは、高校までの勉強のやり方を変えて自分の興味に従って自ら学んでいく姿勢に変えるために積極的に活用しているそうです。
その他、技術シミュレーターや講義がPCにダウンロードできるとか、私立大学で行われているような設備などもあるようです。
寮について
学生寮について に掲載されています。
男子 1か月 17800円 個室 定員70名 2年生まで
女子 1か月 5900円 個室 定員50名 1年生まで
今日は東京医科歯科大学オープンキャンパスレポート(前半)でした。
何もかもが賢さ満載でした。賢いだけでなく更に人間性も重視し、入学後にはその知性と人間性を最大限に活かせる人材を育てる場なのだとわかりました。
次回、引き続き東京医科歯科大学OC、学生さんの話と保護者向けの話を中心にレポートします。
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