医学部志望の高校生の親、ぷっちママです。
私立医学部の学費を工面する方法シリーズで、東京都、埼玉県、千葉県の地域枠を調べました。各県返還免除の条件は違いがありましたが、９年間勤務の条件はどちらも同じでした。本日レポートする「防衛医科大学校」も同じ9年間です。
9年間(借りた期間の1.5倍)の労働でお返しするのが定説ですが、在学中、卒業後に経験できる事が異なります。
今回は「防衛医科大学校」について、2019年7月17日のオープンキャンパスレポートを中心にまとめます。
※頑張って記録しましたが間違いがあるかもしれませんので大事なことはご自身で確認してください。
防衛医科大学校 オープンキャンパスの申し込み
申し込み時点で他校とは全く違う点がありました。
我が家が気が付いた時には、Web申し込みは締め切り後でした。ダメもとでお電話したところ、受け付けていただけました。
他校とは違う点はこちらです↓
申し込みをした翌日に、管轄支部の職員の方からお電話がありました。
締め切り後だったので、やっぱり駄目ですとお断りされてしまうのかと思いましたが、「アクセスマップや当日のタイムスケジュールなど必要だったらメールします」とのことでした。せっかくのなので送っていただきました。そして、これが本丸だったのだと思いますが、お子さんともお話ししたいので受験者本人の携帯番号を教えてほしいと言われました。オッと。「オープンキャンパスに行って本人の意向を確認してからにさせてください」と丁重にお断りしました。ちょっとドキドキしました。その後しつこい勧誘はありませんでした。
防衛医科大学校は航空公園駅
航空公園駅から徒歩7分です。駅前には飛行機が展示してあり、街路樹が美しく綺麗な街並みでした。入学したら寮生活なので、駅からの道など生活にあまり関係ないかもしれません。
オープンキャンパスの服装は制服の人もいましたが、私服の人のほうが多かったです。保護者は華美な人は見かけず、概ね落ち着いた服装でした。
航空公園駅前のお店情報（２０１９．７）
航空公園駅の飲食店情報が少なかったのでメモします。
イートインできる店：とんかつ屋さん、パン屋さん（パンやさんは席が空いていればすぐ食べれます）
持ち帰りのみの店：京樽、スーパー（パンは売っていませんでした）、ファミリーマート
防衛医科大学校の敷地内に食堂とファミリーマートもあります。
いざオープンキャンパスへ
校門に各支部のブースがあるので、立ち寄り受付をします。
お電話とメールをいただいたのに予約リストに名前がありませんでした。。。でも記名すればOKで、断られず入れていただけました。
学校紹介VTR
学校紹介のVTRは派手な映像ではなく、パワポの資料にモヤさまのような自動音声による説明（早口）でした。それはまるで「無駄な予算をかけずに必要なことを伝えます」を表現しているようでした。頑張りましたが説明がとても速かったのですべては拾えませんでした。ザックリですがまとめます。
防衛医科大学校、在学中は経済的に困らなさそう
防衛医科大学の生活
- 全寮制で2人部屋（詳細レポートは後日記載）
- 食事付き
- 夏休みは1ヶ月位
- 教養、医学の勉強以外に訓練がある
- 部活に所属するのは義務です。
４kmの遠泳がある
日課と門限
平日は6時30分起床、6時45分から朝食から始まり、21時から24時自習、24時消灯と決まっているそうです。
【外出について】
土日祝は、8時から23時まで外出可です。平日の外出は、1～4年生は原則できません（休日の前日は出来る）が、5，6年生は申請すればできるそうです。
【外泊について】
休日等の前日17：15～休日最終日23時まで、全学年で可能とのことです。
遊びやバイトに明け暮れて留年ってことはなさそうですね。
カリキュラム
- 医学部医学科の勉強と自衛隊の訓練がある
- 「防衛医学」という防衛医科大学でしか学ぶことができない科目がある。（詳細は後日記載します）
- ４年生の１２月、１月に共用試験（CBT・OSCE）があり、合格すると病院での臨床実習ができます。
国試合格率は90％位
国試対策についての説明はありませんでした。
訓練は507時間です。
【訓練の内容】
医学部の勉強以外に訓練があります。訓練が大変そうなのは1，2年生のようです。１年の時に徒歩教連33時間、水泳24時間、部隊実習26時間、2年生の時に水泳32時間、スキー31時間、部隊実習72時間、3年生は部隊実習56時間とあります。ほかにも体育などが6年間通してあるそうです。
4kmの遠泳があるそうですが、ハイレベルな指導者に教えていただけるので泳げなかった人も泳げるようになると、学生さん（女性）が言っていました。
【訓練の時間】１年：１３２時間、２年：１７１時間、３年：１１３時間、４年：３９時間、５年：１４時間、６年：３８時間
卒後の進路について
進路は6年生の夏に希望を出すそうです。
陸・海・空の比率は７：２：１
卒後6週間は、幹部候補生学校に入校し（陸・海・空曹長）として教育を受けるそうです。
国試に合格し、かつ幹部候補生学校を卒業すると2等陸・海・空佐に昇任し病院での初期研修に入ります。
卒後３，４年目は部隊勤務（災害救助とか）です。部隊では幕僚幹部になるそうです。大きな災害があると、自衛隊の隊員さんが被災者救助に出動してくださいますが、救助活動の際、被災者だけでなく自衛隊員も体調が悪くなったり、ケガをすることもあるので、その部隊に医師が帯同するそうです。
次の2年～4年（卒後５～８年）で専門研修を受けることができるそうです。ほとんどの修了者は専門医の資格をとるそうです。
研究職に進むことができる
8年目くらいになると医学研究科に進めるそうです。2019年9月に防衛医科大学木下学准教授が人工血液の動物実験に成功したことが報道されていたように、研究のための十分な環境があるそうです。
病院で勤務するときは、自分で専門科を選択できるそうです。
その後、臨床・研究・部隊の中で異動するそうです。
医学の勉強だけでなく部隊訓練なども積み、心身ともに鍛え上げられ、臨床・研究・部隊とオールマイティーに働けるスーパードクターになるのですね！
経済的支援！
- 入学すると国家公務員（自衛隊幹部候補生）となります。
- 国家公務員なのでアルバイト禁止となります。
給与(月約1１万5800円)+賞与3ヶ月分
6年間で1042万2千円支給されます。
- 教科書や制服なども支給されます
- 学費、寮費（食事付き）、医療費など無料です。
- 受験料も無料です。ちなみに受験会場は各都道府県1カ所以上設置されるそうですので、受験のための宿泊費なども負担が少なくて済みます。
※（参考）東京都地域枠は学費全額+生活費月１０万円でした。
返還免除の条件と返還金額
東京都地域枠、千葉県地域枠、埼玉県地域枠でも9年間の勤務が返還免除の条件でした。
防衛医科大学も同じ9年間の勤務で返還免除となります。
卒後すぐに全く働かずに退官する場合は4300万円、一括返納です‼️
(場内これには小さなどよめきがおこりました。)
防衛医大、学費、寮費、食費、医療費込みで返還金額4300万円。
返還金額最高4300万円−現金支給1042万2千円＝3257万8千円
※（参考）東京都地域枠、学費+生活費（月10万)
順天堂大学、貸与額2800万円、返還金額3700万円。
返還金額3700万円−生活費（月10万円×6年）720万円＝2980万円
慈恵医科大学、貸与額2970万円、返還金額4100万円
返還金額4100万円ー生活費720万円＝3380万円
杏林大学、貸与額4862万円、返還金額5900万円
返還金額5900万円ー生活費720万円＝5180万円
地域枠と防衛医科大学校の返還条件の違い
地域枠との大きな違いがあります。それは
勤続年数によって減額されます
東京都、埼玉県、千葉県の地域枠には、減額の制度はありませんでした。（防衛医科大学校の返還金額の減額の詳細はわかりません）
返還できるのか?
在学中から現金支給があるのですが、在学中から国家公務員なのでアルバイトはできません。当然、卒後もアルバイトは禁止です。退職時には退職金が出ると思いますが、アルバイトなしでは4300万円の一括返納はやはりかなり厳しそうです。※地域枠では、初期研修の後アルバイトの制限は明記されていませんでしたので、当直バイトなどでお金を貯めることができるかもしれません。
お金を支援していただく分、労働でお返しすることは防衛医科大学校も地域枠も同じですが、防衛医科大学校の場合は、訓練もあり、勤務地もハードなことがあると思いますので、事前にできるだけの情報を得て、
納得し覚悟のうえ受験・入学すべし！
と思いました。
キツイ事も多いと思うますが、社会貢献度は高く、防衛医科大学校でしかできない事もたくさんあるそうです。
次回も防衛医科大学校オープンキャンパスをレポートします。
ではまた。
湧き上がれ！知の泉！
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