医学部医学科志望の高校生の親、ぷっちママです。
今日は、駿台予備校市谷校舎「全国国公立大学医学部医学科説明会」の東北大学の説明をレポートしていきます。
駿台予備校市谷校舎は、医学部専門予備校です。駿台予備校の中でも、医学部を志望する人向けなので、教室も自習室もみんな同じ学部を目指すライバルがいて、良くも悪くも大変刺激的な環境かと思われます。
駿台予備校市谷校舎は、本イベントのような各大学から教授をお呼びしたイベントの開催などで、現役の入試担当者とつながりもあるため、他では得られない情報をお持ちの予備校だそうです。
東京医科歯科大学医学部医学科や慶応義塾大学医学部医学科のオープンキャンパスでお話を伺った学生さんも在学していたとおっしゃっていました。
東北大学医学部医学科
立地
星稜キャンパス
医学部は星稜キャンパスだそうです。
JR東日本・仙台駅から仙台市営地下鉄南北線・北四番丁駅から徒歩15分
正直、駅から遠っ!と思いましたが、大学の近くで一人暮らしをするのだろうから、駅からの距離はあまり気にしなくてもいいのかもしれません。
病院は1225床、医師800人が在籍し、100以上の研究室があるそうです。
東北大学の強み
指定国立大学法人に指定
指定国立大学とは、世界最高水準の教育研究活動の展開ができると、その実力と潜在能力を認められた国立大学のことです。
日本で初めてH29年6月に、東京大学・京都大学・東北大学の3校が指定されたそうです。これにより、どんなメリットがあるかといえば、研究の成果を活用する事業者への出資が認められることや、給与基準などの規制が緩和され、世界的な研究者を高給で雇用することができるようになるそうです。
ザックリいうと、給料が安いといわれている国立大学で研究しても、いい給料をもらえるってことみたいです。
(ここはぷっちママの憶測です)2021年度入試から採用予定であった「大学入試英語成績提供システム」(延期になりました)の対応で東京大学・京都大学は「出願資格として採用するが、高等学校の証明書でも可」とし、東北大学では「出願基準ではあるが、英語認定試験の受験と結果の提出は求めない」としていました。同じように「出願資格であるが高校が発行する証明書でも」などシステムを利用しない国立大学が数校ありましたが、ほとんどの大学が「出願要件」として受験と結果の提出を採用していました。同じ国立大学でも違いがあるのはなぜだろうと考えていたのですが、もしかしたら指定国立大学法人だと国立大学の中でも自由度が高いのかもしれないと思いました。(ここまでぷっちママの想像でした)
総合大学としての強み
学部や研究科の壁を越えた横断的な融合教育を実施しているそうです。横断的な融合教育というのは、他学部の研究室を見学したり、情報交換をしたり、学部を越えて学ぶ機会を設けることのようです。
同じように国立大学の総合大学である筑波大学では、横断的な教育はしていないとのことでした。そのため、サークル活動でくらいしか他学部の人との関わりがないと在校生さんが教えてくれました。
今後、治療にAIや手術ロボットが一般的になっていくかもしれません。将来、自分で診療のためのロボットの開発などをしたいと思ったときに、医学部以外の学部との知識や人脈があると、相談したり協力してもらえたりするかもしれません。他学部との関わりは、単に友人や知識を増やすだけでなく、やりたい事をやれるための助けになるのかもしれません。

ロボット開発に詳しい友人がいたら「こんな手術ロボット作れる?」と相談できていいですね。「それ、使っちゃおう!」とかなったら、楽しく社会の役に立てそうです
多様な専攻やコース
東北大学医学部医学科は、医学を「人を対象とする、病気を治すのが目的の学問」と考え、「医師養成の職業専門学校」ではなく「Physiian Scientist=診療する科学者」を養成する大学としているそうです。
また、「医師免許を取った後も一流の医療人を育てよう」という試みをしており、スペシャリスト養成コース(腫瘍専門医・総合診療科研究医・臨床研究管理委など)とジェネラリスト養成コースなど、選考や専門を越えた多彩な指導体制で「知のプロフェッショナル」を育成しているそうです。
留学プログラム
年間50名くらいの学生さんが海外留学へ行くそうです。
行先は、アメリカ・イギリス・インド・インドネシア・カナダ・シンガポール・スイス・ネパール・ノルウェー・フィリピンだそうです。
教育・研究環境の充実
最先端の充実した共同利用研究設備があるそうです。
特に、東北メディカルメガバンクというのがあり、15万人のデータを長期的に取り続けて、モニターさんを長期に渡って追跡しどのような病気になるかという研究もされているそうです。莫大な費用と労力がかかりそうなので、指定国立大学法人だからできる研究なのかな?と思いました。
研究者としてやっていくなら、東北大学は指定国立大学法人なので、大学独自に研究者の給料を決めることができるようなので、国が決めた一律の国家公務員としての給料ではなく、研究の正当な評価を反映させた給料が得られるのかもしれません。
門戸は広く
入学者は、例年60〜70%は東北地方以外からの出身者だそうです。
卒業後の初期研修病院は、東北大学病院に限らず、関東、北陸、中部、関西、沖縄と全国に行っているそうです。

東北大学に残ってくれると嬉しいですが、東北地方以外の出身者だからといって落としたりしません。研修で地元に帰る人もいます。
入試について
まずはアドミッションポリシー。どの入試方法でも重要です。

3大モットーにかなう人材を採用します。

3大モットー(東北大学の3つの理念)は
「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」です。
一般入試
臨時増員分が終了した上に、地域枠が9名新設されたため、一般枠が105名から77名に変更となる。
第1段階選抜:センター試験の成績で、募集人員の約3倍までが通過、合計250点
個別試験:合計950点
数学 250点・150分
理科2科目 250点・150分
外国語 250点・100分
面接(面接用小作文あり) 200点・小作文は30分
面接では、特に「医師、研究者、リーダーとして将来活躍できるだろうか、そのようなポテンシャルを感じさせるだろうか」というところがポイントとなるそうです。

センターは合計250点(国社数理外)だけど、個別試験は合計得点が950点なので、数学だけでも大逆転があるそうです!
令和2年度から始まる「地域枠入試」
宮城県枠 7名
岩手県枠 2名
[条件]県内出身者であること。卒後、県内に残ること。
「総合学力試験」AOⅡ期
研究医として世界的な活躍を目指す情熱と積極性を有する人を歓迎する、と記載してあります。
1次選考:書類審査(150点)、筆記試験(数理的能力、自然科学的能力、医学への関心と英語能力、合計600点)
2次選考:面接試験(小作文300点+面接1人30分150点)
定員15名
- 現役のみ
- 学習成績既評がA段階
- 合格時は必ず入学する
- 所定の理系科目を履修した者
「一浪もOK」AO入試Ⅲ期
出願資格:
- 現役と一浪
- 合格したら必ず入学
- 大学入試センター試験で所定の科目を受験した者
- 所定の理系科目を履修した者
1次選考:書類審査・大学入試センター試験の成績(1100点)(←重要)
2次選考:
- 筆記試験(医療系の英文を読み解き、論理的宅多面的な思考能力、独創性、表現力、作文能力を評価する、120分、250点)
- 面接試験(医師や医学研究者としての適性を評価、30分+α、250点)
2020年度以降の入試変更点
2020年度入試

定員が減ります
入学定員に関する国の時限措置の終了に伴い105名から77名になるそうです。
2021年度入試
新テスト導入により、選抜方法に変更がある予定とのことでした。説明会当時、まだ未定でした。

2021年度以降の入試は、引き続き要チェックです!
まとめ
今日は、東北大学医学部医学科の説明会をレポートしました。
- 研究第一
- 実学尊重
- 門戸開放
世界最高水準の教育研究活動の展開を見込まれた大学(=指定国立大学法人)として、充実した教育・研究環境で学ぶことができそうです。

環境は良さそうだけど、やっぱり自宅から通ってほしいな…
では、また。
湧きあがれ、知の泉!
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